聴覚フィルターとAIを搭載したマスタリング・バンドル!Eventide【Elevate Mastering Bundle】レビュー

EventideのDSPを担当していたDan Gillespie氏が立ち上げたNewfangled Audioブランドからリリースされているマスタリング・バンドルElevete」を紹介します。

Newfangled Audioは伝統的なデジタル信号処理技術と先進的なマシンラーニングを融合させたオーディオツールを開発している会社で、他にもカオティック・ポリシンセ「GENERATE」や無料版の「PENDULATE」といったEventideとはちょっと毛色の違った製品をリリースしています。

AIを使っていることからElevateはよくiZotopeのOzoneと比べられたりもしますが、オールインワンなOzoneに比べてElevateはそれだけで完結させるのは難しい代わりにより柔軟に使えるため、好みの変化に合わせて他社のプラグインが入れ替わったとしてもそれと組み合わせて長く使うことができます。

Elevateの特徴と機能紹介

Elevateは1つのプラグイン内でトゥルーピークリミッター→トランジェントコントロール→サチュレーションという処理をこなすマスタリングスイートして機能します。

グローバルコントロールとAIのサポートにより簡単な操作でサウンドをグレードアップさせることができます。

また、それぞれバラ売りもしているEQuivocate(EQ)Punctuate(トランジェント)Saturate(サチュレーター)という3つのエフェクトを個別に使うこともできます。

これにより他社のプラグインと自由に組み合わせることもできますし、単品でミックスに使っても効果的です。

Filter Bank

Elevateの特徴的な機能の1つが、人間の耳が音を知覚する際にフィルタリングする機能(聴覚フィルター)をモデルにしたフィルターバンクというものを採用していることです。
(リミッター/EQとトランジェントはこのフィルターバンクを元に動作します。)

フィルターバンクのバンド数は1〜26まで設定可能で、周波数もあらかじめ設定されていますが自分で調節することもできます。

より人間の聴こえ方に合わせたコントロールが可能ということで、「どうせ人間が聴きながら調節するんだから結果同じなんじゃ?」というツッコミもあるかもしれませんが、マニュアルの作業も遥かに楽で早くできますしAIの動作への影響も大きいと思います。

EQuivocate

聴覚フィルターとマッチEQ機能を搭載したグラフィックEQです。

マッチEQとは?

サイドチェインで送られたオーディオソースを分析して自動でEQを設定してくれる機能です。

0 ~ 100%で一致させる度合いを調節、0 ~ -100%で補完させる方になりますので、リファレンストラックと同じようなバランスにしたり、ミックスで音被りを解決したりと色々使えます。

また特定のバンドをソロで聴きながら足りない部分や出すぎている部分をピンポイントで修正したりできるので大変重宝します。

Punctuate

同じく聴覚フィルターベースで動くマルチバンド・トランジェント・モジュレータです。

基本的にはEQのトランジェント版といった感じで、各バンドのトランジェントをピンポイントで強調/抑制することができます。

また、インテリジェント・アダプティブ・アルゴリズムにより4つのコントロールで全体のトランジェントシェーパーをいい感じにコントロールすることも可能です。

マスタリングでの処理はもちろん、ミックスで使ってもドラムループの特定の楽器のトランジェントを強調したり、トラックのハイを強調して抜けをよくしたりと何かと使えるプラグインです。

Saturate

高度な処理エンジンにより、トーンバランスを保ったままハードにプッシュすることができるサチュレーターです。

SHAPEでクリップのタイプをソフト〜ハードまで好みでシームレスに調整できます。

アナログライクなドライブ感で、がっつりラウドネス稼ぎだけでなく、ちょっぴりかけて音を厚くしたり暖かさをプラスしたりしても気持ちよくかかってくれます。

マスタリング完結とはいかない

冒頭でもチラッと触れましたが、Elevateはあくまでもマスタリング・バンドルですので、iZotopeのOzoneのようなそれだけで完結できるオールインワンプラグインではありません

Mid/Side処理やステレオイメージャー等はありませんし、メーターもピークとRMSのみですのでラウドネスの計測は外部のプラグインが必要です。
音質を調整してレベルを上げるくらいなら良いですが、本格的にやる場合は他社のプラグインと組み合わせてマスタリングチェーンを構成することになります。

参考動画

メーカーによる紹介動画

まとめ

AIというと自動で全部やってくれそうなイメージがあるかもしれませんが、ElevateのAIはどちらかというと裏でさりげなくサポート系ですのでほとんどマニュアルでいじっている感覚で使えます。

また聴覚フィルターにより理論的な値ではなく「聴いた感じ」をベースに動いていますので、あまり機械的な音にならないのが良いところです。
だからなのか、どことなくハードウェアっぽいアナログ感のあるサウンドがします。

それ1つ買って終わりにしたい方は Ozone がいいと思いますが、色々なプラグインと混ぜて使いたい方はElevateがおすすめです。

Pulsarの Mu ・・・Mid/Sideコンプ

sonible smart:limt ・・・トゥルーピークリミッター

Mastering the Mix RESO ・・・レゾナンス処理フィルター

zplane FENNEK ・・・メーター

ぜひお試しください!

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Punctuate

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