ペダルやラックといったハードのエフェクトも人気のデベロッパーEventideの画期的な特許技術「Structural Split Technology」を使用したプラグイン第2弾が登場です!
以前紹介しました【SplitEQ】(レビュー記事はこちら)がトランジェントとトーナルに分けてそれぞれPanとEQ処理ができたのに対して、【Physion Mk II】はそれぞれにコンプやディレイなど色々なエフェクトを適用することができるプラグインです。
トランジェントシェーパーの代わりなどで補正的に使うもよし、よりクリエイティブに音作りするもよしなプラグインとなっております。
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目次
Physion Mk II の特徴と機能紹介
トランジェントとトーンストリーム
Physion Mk IIの最大の特徴は、色々なエフェクトをトランジェントとトーナル別々に適用できることです。
- トランジェント・・・アタック音(ポップノイズ、ボーカルの破裂音や歯擦音など)
- トーナル・・・持続音(サステイン、倍音、共鳴音、アンビエンスなど)
これにより、「アタック部分だけを処理したいのに持続音部分も考慮しないといけない」「持続音にモジュレーションかけたいけどアタック音も気にした設定にしないと」といった気を使わずに、ちゃんとかけたい部分にだけかけたい量のエフェクトをかけることができます。

初めから余計なところにはかからないので、普通より思い切った設定にしても変に濁ったりしないのが良いですね。
一応トランジェントとトーナルどちらにも1エフェクトずつかけられますが、別に必ず両方にかける必要はありませんので欲しい音を欲しい部分にだけさりげなくかけてもOKです。
Structural Split
入力されたオーディオ信号をトランジェントとトーナルに分けるセクションで、分け方の微調整ができます。

基本的な使い方としてはこんな感じ。
- オーディオ・ソースに合ったものをSource Typeから選択。
- トランジェントとトーンのエフェクトをオフにする。
- TransientまたはTonalのどちらかをソロにする。
- 必要に応じてStructuralSplitコントロールを調整。
このセクションはSplitEQの下の方にあったものと大体同じで、どこまでをトランジェントとするか、トランジェントからトーナルへの移行の仕方などを調整できます。
エフェクトのかかり方にも直結しますので、エフェクトのセクションといったりきたりしながら調節しても良いですね。
また、Focusでトランジェントとトーナルのエネルギーバランスをコントロールしたり、Splitをオフにすれば2つのパラレルエフェクトとして機能し、エフェクト間のモーフィングなんかも可能となっております。
Transient
エフェクトはトランジェント、トーナルそれぞれに最適化されたものが用意されていて、上のプルダウンメニューから選択できます。
- Delay ・・・テープ風のグライドができるWarp付きディレイ。
- Tap Delay ・・・タップの挙動もちゃんといじれます。
- Dynamics ・・・レシオの設定でエキスパンダー/ゲートとコンプレッサー/リミッターを切り替えられる。
- Phaser ・・・LFOやエンベロープでコントロールできるクラシックなフェイザー。
- Reverb ・・・高いエコー密度で設計されたルームリバーブ。
- Gate and EQ ・・・ゲートとドライブも可能な3バンドEQ。
- Reverse Delay・・・ダイナミック・リトリガーを備えたリバース・ディレイ、ピッチとフィードバック・コントロールによる「グラニュラー」タイプのFX。







Tonal
- Delay ・・・トーナルの方にはモジュレーションがついています。
- Dynamics ・・・トランジェントと同じくレシオの設定でエキスパンダー/ゲートとコンプレッサー/リミッターを切り替えられます。
- Pitch ・・・それぞれ最大上下1オクターブのシフトと微調整が可能な3ボイスのピッチシフター。
- Chorus ・・・ディープなマルチボイスコーラス。
- Reverb ・・・トランジェントよりもラージなスペースのリバーブ。テール音のコーラスを避けるため、ほとんどモジュレーションを持っていないのも特徴。
- Tremolo ・・・LFOで駆動する標準的なトレモロ・エフェクト。エンベロープによる制御もできます。
- EQ ・・・ドライブも可能な3バンドEQ。
- Reverse Delay・・・リバース・ディレイは個人的に好きです。








プリセット
プリセットも豊富に用意されています。
アーティストものも結構多いので、これを片っ端から試していくだけでもかなり楽しく、インスピレーションにもなります。

参考動画
まとめ
斬新な技術というか発想というか、そういうのを使ったプラグインはちょっと難しそうに見えてしまうかもしれませんが、別にエフェクトも無理に両方使う必要はありませんので「普通にかけただけではイマイチしっくりこなかったエフェクトもトーナルだけにかけるとバシッとハマるかも」くらいな使い方もアリだと思います。
実際トランジェントのコントロールはコンプやトランジェントシェーパーあたりとはかなり違います。
ちなみに、エフェクトの質はさすがEventideといった感じで、いずれのエフェクトもシンプルなパラメーターながらツボを押さえたものとなってます。
初めは使い所を探る感じになるかもしれませんが、だんだんPhysion Mk IIだからできることが見つかってくると思います。
ただ、あくまでもこだわりたい人が「こんなこともできちゃうんだ〜」と喜ぶ系のプラグインですので、エフェクトの取り回しにまだ慣れていない方なんかですとちょっと持て余してしまうかも。
ぜひお試しください〜
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