ジャンルごとの適正ラウドネスにアジャストしてくれる、AI搭載トゥルーピークリミッター!sonible【smart:limit】の使い方&レビュー

洗練された機能とデザインが特徴のオーストリアのデベロッパーsonibleから、AIを使用したsmartシリーズの最新作【smart:limit】がリリースされました。

AIを使ったマスタリングリミッターは、これまでiZotopeのOzoneを筆頭にクラウドベースのものなども含めると色々出てきましたが、それに対するsonibleの答えといった感じのプラグインに仕上がっております。

  • ダイナミクスに配慮したリミッティング
  • 人工知能によるパラメーターの自動設定
  • ラウドネス規格のターゲット設定
  • サウンドの調整
  • 充実したメータリング
  • シングルウィンドウ

smart:limitの特徴と機能紹介

チュートリアル

始めてソフトを立ち上げるとこのようなガイドが付いたツアーが表示されますので、簡単に使い始めることができます。

またバルーンによる説明も出ますので使いながら覚えていくこともできます。

学習機能の使い方

使い方は非常に簡単です。

プロファイルを設定

基本的にはまずUniversalで開始します。

後から好きなジャンルに切り替えることが可能です。(合わせて各設定も変わります)

また、Load Referenceもしくはドラッグ&ドロップで手持ちのリファレンストラックをプロファイルとして設定することもできます

オーディオを再生してラーニング開始

オーディオを再生して緑色の録音ボタンを押すと解析を始めます。

ラーニング完了

各パラメーターは自動で設定されます。

ドロップダウンメニュー横のロゴでいつでもスマート状態(自動で設定された状態)に戻ることができます。

Working with the limiter controls

リミッターのコントロール部分です。
入力波形とリダクションの波形がリアルタイムで流れていくのでわかりやすいですね。

  • Limit line・・・Ceiling的なやつ。特に何もなければ-1.0dBのままでOK。
  • Gain line・・・ゲイン入力をコントロール。上げすぎるとダイナミクスがなくなるのでメーターで確認したりしながら調節しましょう。
  • Attack/Release・・・アタックとリリースです。Aを押すとオートリリースになります。
  • Constant gain・・・処理前後のレベルを同じにできる機能。ゲインアップのバイアスなしに比べることができます。
  • Delta・・・リミッター処理によって除去された信号成分を聴くことができます。

Sound Shaping Tools

4つのシェイピング・ツールでサウンドを微調整することができます。

  • Style・・・コンテンツに合わせてリミッターのスタイル(エンジン)を調節できます。
  • Saturation・・・一時ライドネスウォーで流行ったやつ。軽くかけて温かみをプラスしたり。
  • Balance・・・スペクトル・バランスを整えてくれる機能。
  • Bass Control・・・低音を強調したり引き締めたり。

これらのツールは入力信号の特性に適応して動作しますので、ラーニングが完了するまではロックされています。

Monitoring section

充実したメーター類もsmart:limitの特徴の1つです。

Loudnessはintegrated、short term、momentaryを切り替えることができます。
横にはリセットとポーズボタン。

Publishing Target

こちらで使用目的に沿ったラウドネス規格を設定することができます。

Loudness and Dynamics Grid

ラウドネスとダイナミクスを視覚的にチェックできる便利なセクションです。

縦軸がラウドネス横軸がダイナミクスを表しています。
それぞれshort term値のメーターがあり、設定した規格の基準以下だとグレー、推奨領域がグリーン、オーバーしていうとイエロー、レッドで表されます。
横の枠はLRA、小さな線はINT値になります。

中央にはラウドネスとダイナミクスの推奨領域が示されており、交わっているところに十時マークかきていればオーケーと思って大丈夫です。

Distortion Monitoring

周波数帯域ごとの歪みのレベルを視覚的に監視できます。

Output

ゲインリダクション、アウトプットゲイン、などをモニターできます。
また、Channel Linkでは各チャンネルのゲインリダクションの独立性をコントロールできます。ステレオイメージとの兼ね合いで使用する感じになりますが、よくわからない方はいじらなくても大丈夫です。

便利機能

Quality Check

ボタンを押すとこんな感じで調整のヒントやアドバイスをしてくれます。

States

セッティングやトラックの複数のバージョンを8つまで比較できます。

Instant Impact Prediction

パラメーターを変更したときに、1から再生し直さなくてもリアルタイムで反映してくれるようになっています。

参考動画

メーカーによる紹介動画

まとめ

まず、後段にメータリングソフトを挿さなくても良いくらいモニター系が充実しているところがポイント高いです。

そして最大の魅力はラウドネスコントロールの秀逸さだと思います。

大体のメーターやマスタリングソフトは、配信サービス側でリダクションかけられてダイナミクスが損なわれるのを避けるためにSpotify-14LUFSだったら-14LUFSになるように設定されますが、実際には-14LUFSでリリースされている曲などほとんどありません。

どちらもSpotify-14LUFS設定ですが、右側はめっちゃ赤くなってますよね。

一方でsmart:limitは変に上げられて不要なリミッティングが発生したり、上げてもらえなかった時の方がさぶいということで-14LUFSを最小ラウドネスとして設定しています。

これにより、プロファイルでジャンルを設定すると実際に市場に出回っているジャンルごとのラウドネスの傾向に近いところに持っていってくれます!

まさにワンストップ・ショップ。

ただ、ステレオイメージなどの細かいサウンドの調整はできませんので、デモ曲などをざっくり手早く発表する時は良いですが、通常はマスタリングの最後段にインサートして使用する感じになると思います。

よりサウンドの調整重視でオールインワンならiZotopeのOzone
手持ちのプラグインも合わせてマニュアルで調整したい場合はEventideのElevate(レビュー記事はこちら
メーターだけ独立して使いたい場合はzplaneのFENNEK(レビュー記事はこちら)あたりがオススメです。

マスタリングツールとして見ると少し弱いかもしれませんが、ラウドネスを調整するマスタリングリミッターとしては最終兵器レベルですので、ぜひお試しください!

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