ダイナミックな空間表現ができる、Motion:Harmonic のディレイ、リバーブ版プラグイン！Excite Audio【Motion: Dimension】レビュー

優秀なプラグインをコンスタントにリリースしているメーカー Excite Audio が新作【Motion: Dimension】をリリースしました！

Motion:Dimention は同社のプラグイン Motion:Harmonic の空間系バージョン（ディレイ、リバーブ）なプラグインです。

好きなパラメーターを割り当てた６つのマクロ・スライダーを、マグネットのようになっているカーソルで引き寄せたり弾いたりして動かす、という基本的な仕様は Motion:Harmonic とほぼ同じ。

単なるオートメーションやLFOだけでは実現が難しい有機的なサウンドの変化を作り出すことができるのが最大の魅力となっております。

印象的なディレイ、リバーブサウンドをお求め方、アイデア次第で様々な表現が可能ですよ。

参考

DTM用語集（11/1更新）

サンレコ 〜音楽制作と音響のすべてを届けるメディア

Motion: Dimention の特徴と機能紹介

エフェクト

搭載されているエフェクトはディレイ×２、リバーブ×１の合計３つ。

上記のように、上側にポインタを合わせると下にディレイ、下にポインタを合わせると上にリバーブのディスプレイが表示されるようになっています。

ディレイ

ステレオディレイは二つありますが、もちろん片方だけ使うこともできます。

個人的にはリバース・ディレイ・モードがあるのが嬉しいですね。

Re-Pitchをオンにすると、テープ・ディレイのようなディレイ・タイムを変更した時にピッチも変化する効果が得られます。

リバーブ

プレートとホールのキャラクターを合わせ持った高品質なリバーブです。

Character ノブでプレート（左）とホール（右）のキャラクターを調節できます。

ローパス、ハイパス・フィルターもマクロやエンベロープにインサート可能です。

ルーティング

ルーティングで各エフェクトの直列と並列を切り替えられます。

マクロ・スライダー

エフェクトの各パラメーターは６つのスライダーと真ん中のエンベロープ・フォロワーに自由に割りあてることができます。

割り当て方はドラッグ＆ドロップした後変化幅を調節するだけの簡単仕様。

逆方向に動かしたい場合は Min と Max の値を入れ替えればOK。

真ん中にあるエンベロープ・フォロワーもなかなか活用できますよ！

Motion:Harmonic と同じく、マクロフェーダーを含む各パラメーターはオートメーションで動かすこともできちゃいます。

本末転倒かもしれませんが、どうしてもこれだけはイメージ通りにいかないっていうパラメーターだけはオートメーション描いちゃうのも手かもしれません。

マグネット

Motionシリーズの真骨頂といえばやっぱりこれ。

マグネット状になっているカーソルで各マクロ・スライダーを吸着させたり弾き飛ばしたりすることにより、LFOやエンベロープでは再現できない複雑で生き生きとした動きを表現できる、という機能。

マウスでカーソルを動かして遊ぶこともできます。

カーソルのモーションをDAWのオートメーションで描くことはできませんが、その代わりプラグイン内で記録することができますよ。

こちらはマグネットの動作を細かく調節できるセクションです。

• 引き寄せるか弾くかの選択
• マグネットを常時有効、クリック時のみオン、クリック時のみオフ
• マグネットの有効範囲と強さ
• スライダーの保持と戻り時間

Path ではカーソルの軌跡を描くための便利ツールがそろっています。

フリーハンドでも描けますし、直線とサークルのベースを使ってキチッとした図形も描けますよ。

で、Timeline ではカーソルの動きの周期や速さなどを設定できます。

だんだん早くしたり、途中で一瞬遅くしたりといった細かい挙動も指示できます。

とりあえずテキトーな図形を描いてみて、後からパラメーターを設定するのも面白いです。

プリセット

「カーソルの動きやらパラメータの設定やら、なんか凝り始めるとめっちゃ時間を溶かしそう」と思った方、その通りです。

印象的なサウンドが出来上がれば時間をかけた価値もあるというものですが、とりあえずはプリセットから気に入ったものを選んで使うのもオススメですよ。

トラックに合わせてプリセットを選んで、あとはモーションの動きやパラメーターの設定をちょっといじるような感じでいいと思います。

参考動画

メーカーによる紹介動画

テキトーなリフにかけてみた

シンプルなシンセのリフで色々遊んでみました。

まとめ

カーソルに反応したスライダーの動きを普通に一つ一つオートメーションで描いて再現しようとするとかなり複雑になります。
そういった複雑なパラメーターの化学反応に偶然出会えることと、それを簡単に再現できることが魅力のプラグインです。

どちらかといえば、細かいミキシング作業よりもサウンド・エディットやトランジション・エフェクト的な場面で活躍するようなプラグインだと思います。

１からエディットすると、やっぱり普通のオートメーションやモジュレーションでは再現しにくいようなサウンドを作りたくなっちゃいますね。

そして、せっかく凝りまくって作った残響が他のトラックに埋もれるのは悲しいので、自然と音数を減らしたくなりました。

音作りがかなり楽しいのでフルバージョンがおすすめですが、ハマりそうで怖い方はライトバージョンでもいいかも。

ぜひ試してみてくださいね！

2023年5月28日 ６つのマクロを磁石っぽいカーソルで動かす新感覚マルチ・エフェクト・プラグイン！Excite Audio【Motion: Harmonic】レビュー

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