私は現在Macbookを使っていますが、元々は3.1からのWindowsユーザーでした。
Macに乗り換えてAirDropの便利さやLogicのコスパなどに軽いカルチャーショックを受けたりしたわけですが、久しぶりに「Macでよかった!」と思えるプラグインに出会いました。
それが今回紹介するsonnoxのリファレンス・プラグイン【ListenHub】です!
高品質なミキシング、マスタリングプラグインでお馴染みのメーカーですね。
SpotifyやYouTubeなどを直接計測したりA/B比較に使えたりする便利プラグインですので、Macをお使いの方はぜひ見ていってください。リファレンス革命になること間違いなしですよ!
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目次
リファレンス・トラックとは?
DTMをやっているとよく耳に入ってくるのではないでしょうか?
リファレンス・トラックというのは、ざっくり言ってしまうと参考音源のことです。
よくある使い方としては、自分が作っている曲と同じジャンルの曲(近い曲)を参考にしてミキシングのバランスやラウドネスなどを調整するというものと、「この曲はこの環境でこういう風に聴こえる」というのを熟知した曲を用いて機材や頭の中をキャリブレーションする、というのがあります。
なぜリファレンスをとることが大事かというと、それは人間の感覚というものが非常に相対的なものだからです。
甘いものを食べた後だと甘いものがあまり甘くなく感じるみたいな。
そこで基準になるもの用意しておいて、そこに戻ったりそこからの比較で考えたりすると迷いにくいですよ、ということですね。
そんなリファレンストラックの形態も時代によって変わってきているように思います。
昔は(お気に入りの)レコード、でそれがCDになり、ダウンロード購入したファイルになり、今はストリーミングサービスになりつつあります。
ただ、ストリーミングを直接リファレンスとして活用できるプラグインはまだ少なく、ちょっと前にでたiZotopeのAudiolendsもストリーミングの曲を分析したものをOzoneなどで使用するという考え方ですのでiZotopeにどっぷりな方以外は恩恵が少し減る感じでした。
ListenHubはMac限定という大きな制限がつく代わりに、オーディオファイルのダウンロードやインポートをすることなく、SpotifyやApple Music、YouTubeなどから直接ラウドネスやダイナミクス、スペクトラムを分析したり、自分の曲とA/B比較したりすることができちゃいます!
ListenHub の特徴と機能紹介
使い方
ListenHubは基本常駐アプリです。(終了して毎回立ち上げても良いけど)
マニュアルにシグナルフロー的なのが載ってました。

PCのシステムオーディオ、DAW、手持ちのリファレンストラック(を読み込んだDAWのトラック)、の3つのアウトプットを全てListenHubにすることにより、ListenHub側でその3つを切り替えることができるようになります。
ListenHubをインストールすると自動で立ち上がった状態になり、上にアイコンが表示されます。
とりあえずListenHubのアウトプットを現在使っているオーディオインターフェースにしました。

次にストリーミングやネットのサウンドの出口であるシステムオーディオの出力設定をListenHubにします。

次にDAWの出力デバイスをListenHubにします。

このままですとシステムオーディオとDAWの二つがListenHubの1/2チャンネルで被ってしまいますので、DAW側の出力チャンネルを3/4に変更します。

これでListenHubのSystemをクリックするとPCの音に、MainをクリックするとDAWの音に切り替わるようになりました。
手持ちのリファレンストラックも用いる場合は、リファレンストラックを読み込んだDAWのトラックの出力を5/6にするとReferenceに割り当てられます。
- PCのシステム出力→チャンネル1/2→System
- DAWのマスターバス(ステレオ・アウトプット)→チャンネル3/4→Main
- リファレンストラック(DAWのトラック)→チャンネル5/6→Reference

ちなみに、音圧上げる前の比較に便利なラウドネスマッチも付いていますよ。
というのが基本的な使い方ですが、リアルタイムレコーディング時にListenHub分のレイテンシーが気になる場合はプラグインとして使うことも可能です。
プラグインの場合ですと、DAWのアウトプットは通常通りの設定で大丈夫ですのでいつも通りのレイテンシーで演奏することができます。

DAWの出力ではなくマスターに挿したプラグインを介してListenHubに信号を送るわけですね。
メータリング
ラウドネスとPSR (Peak to short-term Loudness Ratio)方式のダイナミクス、それとスペクトラム・アナライザーで現在選択している入力音源を計測することができます。
SpotifyやYoutubeはもちろん、DAWの方も計測できますので、マスターにアナライザーをインサートする必要がなくなるかも。

また周波数バンドごとにソロで聴いたり、モノラルやサイドだけといったチャンネルごとに聴くこともできます。
ソロにした時にセンターに寄せるかどうかも設定で選べますよ。

この辺のGUIが同じSonnoxのEQプラグインclaroに似ているので、お使いの方は参考にしやすいかも。
ボリュームコントロール
ボリュームの違いによってミックスバランスが違って聴こえたりすること、ありますよね。
これを避けるために大きい音で聴いたり小さい音で聴いたり、色々なボリュームで聴いてみることが大事なわけですが、いちいちオーディオインターフェースのボリュームいじるのもちょっと面倒。
そこで便利なのがこちらの機能でして、各ボタンの切り替えで簡単に色々なボリュームで聴くことができますし、なんとなくでボリュームいじるのと違い常に同じ段階の設定になるのも良いですね。

モバイルアプリ
さらにすごいのが、ListenHubは無料のスマホ用アプリが用意されていることです!
これをダウンロードすればモノラルやボリュームなどを遠隔操作できちゃいますよ。

本体はMac限定ですがスマホアプリはiOSとAndroidの両方をサポートしていますので、PCはMacだけどスマホはAndroidの方も使えるみたいです。
エフェクト・チェイン
Audio Unit(AU)プラグインのみ対応となりますが、ListenHubはエフェクト(最大3つ)を出力に追加することができます。

スピーカーやヘッドフォンのシミュレーターなどをリファレンスとDAWの両方にかけられるため、同じ条件で聴き比べられますよ。
また、慣れ親しんだメータリングツールでApple MusicやYoutubeの音楽を計測できるのも魅力ですね。
参考動画
まとめ
といった感じで、ほんと至れり尽くせりなプラグインです。
とりあえず、早速Apple Musicにもリファレンス用のプレイリストを作りました。
これまでリファレンス・トラックとして使うためにダウンロード購入したものも、DAWやMetricABなどに取り込まずに再生するだけでA/B比較できるので十分恩恵があります。
また、マスターバスに基本インサートしているモノチェック用のプラグインもListenHubでできるため外しました。
そうそう、一番重要な計測の精度のことですが、Apple MusicやYoutubeの曲を色々聴いてみた感じラウドネス、ダイナミクス、スペクトラムいずれも信頼できる精度で計測してくれました。
Mac使っているDTMerは一番最初に買うべきプラグインと言っても良いくらいオススメですので、ぜひ試してみてくださいね!
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