ギター・ピッキングのやり方徹底研究1〜音の出し方の原理

良いピッキングのやり方、正しいピッキングの仕方、これは人によりけりです。

人によって身体的な条件も違うし、やりたい音楽や好きな音、使っているギターもピックも違いますから、ギタリストの数だけピッキングの正解があると言っても過言ではありません。

そこで、フォームや角度や振り方といった一般的に議論になる部分の前に、「弦を弾いて(弾弦)音を鳴らす」というアクションについて解説してみたいと思います。

ここをちゃんと理解しておくと迷いにくいし、自分なりのピッキングも探しやすいのではないでしょうか。

ピック選びの記事でも触れましたが、「どんなピッキングの仕方をするか?」という問題は「どんな音が欲しいのか?」というところに繋がってきますので、色々なギタリストの音を聴いて自分の好みの音を探してみてくださいね。

また、初心者向けピッキング記事【ギターのピックがズレる時】の原因と対策なんかでもピッキングに触れています。

音の出し方の手順

弦をピッキングして音が出るまでのステップは次の3段階になります。

  1. タッチ(弦に触る)
  2. プレス(弦に圧力を加える)
  3. リリース(弦から外れる)

ピックで弾いても指で弾いても、それぞれ色々なピッキングのやり方がありますが、どれも必ずこの3つを通過することになります。

では、各ステップを見ていきましょう。

タッチ(弦に触る)

弦に指またはピックが触れる段階で、音色(トーン)的には音の立ち上がり(アタック)の部分に影響します。

次の動画は色々なピックで振動している弦を止めたところです。
音自体も違いますが、ピックが弦に当たる音もピックによって違うのが分かると思います。

この音がピッキングした時に入ってきますので、自分好みのものを選ぶ必要がありますね。

またどのポイントで触るかによって次の二つの手順のやりやすさにも影響します。

プレス(弦を押す)

次は弦に圧力を加えるステップで、ここで主に音の大きさ(ボリューム)が決まってきます

このステップ自体は音色に直接的には影響しませんが、次のステップであるリリースとの組み合わせで音色や音の伸び(サスティン)も変わってきます。

どの方向にどれだけ圧力を加えるのか?がポイントで、ピックを使う場合は材質による抵抗感の違いなんかも影響してきます。

リリース(弦から外す)

指、爪、またはピックが弦から外れる瞬間(リリースポイント)で、音が出る瞬間になります。

リリースポイントの形状や材質、外す方向などによってアタックやサスティンが変わってきますし、弾きやすさにも大きく影響します。

フリーストローク(アルアイレ)、レストストローク(アポヤンド)といった奏法の違いは、主にリリース方向の違いを表しています。

ステップの圧縮

実際のピッキング時には上記の3ステップを順を追ってやることは少なく、2ステップまたは1ステップに圧縮する場合がほとんどです。

2ステップにする場合

こちらは次の2パターンになります。

  • タッチ&プレス(プラント)→リリース
  • タッチ→プレス&リリース

タッチとプレスを同時にやることを「プラント」と呼んだりします。

プレスとリリースの圧縮は、主にリリース時にプレスを伴うパターンになります。

この二つのパターンは完全にどちらかというわけではなく配分になりますので、中間というのも存在します。

1ステップにする場合

タッチ、プレス、リリースをワンアクションにまとめる場合もあります。

レガートに弾きたい場合や、叩くような弾き方をする場合がこれにあたります。

まとめ

といった感じで、実際に音が出る(弦が振動する)までを3つのステップに分けてみてきました。

どういう音を出すかというのは、結局は弦にどういう振動を与えるかということです。

奏法ややり方というのは色々ありますが、結局最後は自分の好みや弾きやすさで探し、見つけ、選択し、作っていくものですので、あえて細かい部分は書いていません。

個人的なアドバイスとしては、音的な好みを優先した方が迷宮入りしにくいと思います。
是非色々工夫して試してみてください。