トップダウン・ミキシング・コンセプトに基づいて開発されたマスターバス専用マルチエフェクト・プラグイン!W. A. Production【MixBoss】 使い方&レビュー

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便利プラグインやアーティストコラボ、サンプルパックでもお馴染みのメーカー W. A. Production の新商品【MixBoss】を紹介します!

名前の通り、ミックスの最終段(マスタートラック、マスターバス)にインサートして使うマルチエフェクト・プラグインです。

その中身はこんな感じの構成になってます。

  • マルチバンド・コンプ
  • サチュレーター
  • ステレオイメージャー
  • デプス(リバーブ的な)
  • バランサー
  • リミッター
  • モニター・シミュレーター

え、めっちゃ入ってお得じゃん!と思ったかもしれませんが、あくまでもトップダウン・ミキシング(最終的な曲の雰囲気から先に作っていくミキシング方法)に基づき、大まかな曲のキャラクターつまりざっくりとしたミックスのゴールを定めるためのプラグインとなっております。

つまり、いろいろ入ってこんなにお得!というテレビショッピング的なものではなく、ミキシングの流れがスムーズになり時間も短縮される!・・・かもしれないプラグインです。

MixBoss の特徴と機能紹介

トップダウン・ミキシングとは?

曲が完成し、さて本格的なミキシングに取り掛かるか、となった時、

みなさんミックスの最初はどこから手をつけますか?

キック?ボーカル?

どこから音を作っていくか、どの程度まで作り込むか、など人それぞれの流れがあると思いますが、概ねそのジャンルで一番重要になるパートから作っていくのが一般的だと思います。

それに対して、トップダウン・ミキシングは初めに曲の大まかなキャラクターを作るという方法です。

具体的にはトーンバランスダイナミクスステレオの広さカラーといった要素を、目的のジャンルなどに合わせて最初にある程度作っちゃうわけですね。

でもって、そこに合わせて個々のトラックやバスを調整していけば、変に脱線したり、変なところに時間かけたりしなくて済むよねって話です。

初めからマスターにバスコンプやマキシマイザーなどをかけるスタイルなんかも、ある意味それに近い考えと言えるでしょう。

「そういうのは頭の中でできるから大丈夫」っていう達人はともかく、マスターで「思ったように音圧が上がらない」「EQでめっちゃ修正することになっちゃった」みたいに、いつも大幅に修正して結局どうにもならず個別のトラックに戻るを繰り返している方は試してみる価値ありですよ。

ちなみに、トップダウン・ミキシングはWavesやiZotope公式でも紹介され(つつ自社のプラグインをしっかりとアピールし)ていますよ。

使い方

基本的な使い方はこんな感じ。

  • マスターにMixBossをインサート
  • LO、MIDインジケーターが点灯するまでControlノブを上げる。
  • ジャンルなどに合わせて他のコントロールを調整(よくわからなければプリセットでOK)
  • 足りない部分を個別のトラックやバスで修正

途中でMixBossの方をいじりまくると方向性ばぶれてしまいますので気をつけましょう。

ちなみに、MixBossをインサートする段階でラフミックス程度にはなっていた方が良いと思います。

  • CONTROL・・・ミックスにまとまりとパンチを加えるリニア・アナログ・クロスオーバー・フィルターを使用したマルチバンド・コンプレッサーのDry/Wet。コンプレッション量を増やしたい場合はインプット・ゲインやEQで調節。
  • ENHANCE・・・隣の3つのキャラクターモード、COLOR(サチュレーション)、DEPTH(ミックスに深みを与える)、WIDE(ステレオイメージの調整)のDry/Wet。任意の組み合わせで有効にすることができます。
  • BALANCE・・・スペクトラル・ミックス・バランサー。ミックスのトーンバランスをリアルタイムで調整します。かけすぎ注意。
  • PUSH EQ・・・ミドルとプルテック・タイプのローとハイの3バンドEQ。通常は上3つの前段なのでマルチバンド・コンプのかかり方にも影響します。POSTをオンにすると後段になります。不要な低周波音と超音波周波数を除去するMIXEQも良い感じ。
  • LIMIT・・・ミックスバス用に調整されたリミッター。ミックス時は基本オン。マスタリングでレベルを調整する場合はミックスダウン時にリミッターノブを0%に設定してオフにしましょう。
  • MIX・・・リミッターの前段にあるすべてのダイナミック・プロセスとPush EQのDry/Wet。リミッターには影響しません。
  • オーバーサンプリングと極性反転、インプットとアウトプットのゲインコントロールもあります。

プリセット

ミックスする前に全体的なサウンドの傾向を作って・・・って言われてもー

という方はプリセットを使いましょう。

モニター・シミュレーター

ミックス時の強い味方であるモニタースピーカー・シミュレーターも付いています。

車でローが飽和しちゃったり、スマホでキックがいなくなっちゃったりしないようにチェックしましょう。

小型スピーカー、車、スマホ的なやつ、という3つなので専用のプラグインに比べると少ないですが、しっかりと肝は押さえたチョイスですね。

それに加えモノチェック(モノラル)もできる優れもの。

CPU

CPU負荷はそこそこ高いです。

コンプレッション以外の機能も付いている高品質なバスコンプSoftube【Bus Processor】よりも高いので、普段ギリギリでミックスしている方はちょっと厳しいかもしれません。

ただ、トップダウン方式ですとMixBossを最初に挿すことになりますので、それにより各トラックで実はいらなかったプラグインや軽い純正で十分だったプラグインなどが出てくる可能性は十分あります。

参考動画

メーカーによる紹介動画

まとめ

というわけで、トップダウン・ミキシングというコンセプトをベースに作られた唯一(かどうかはわかりませんが数は少ないでしょう)のプラグインです。

もちろん、トップダウン・ミキシング自体はMixBossを使わなくてもできますが、その場合は設定の幅も広がりますので難易度は高くなります。

変なことになってしまう可能性を減らし、簡単つ安全に使えるという点がMixBossを使う利点ですね。

ちなみに、トップダウン・ミキシングをやらずに普通にバストラックで使っても問題はありませんよ。

モニターセクションは便利ですが、普段慣れているものがある人はわざわざ変えなくていいと思います。

モニター関係は慣れが大事ですからね。

トップダウン・ミキシング、ミキシングに何か悩みがある方はぜひ試してみてください!

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