グラニュラーシンセシスを使用し、モノラルな音源でも複数のミュージシャンが演奏しているような迫力あるアンサンブルにすることができるプラグイン、Sound Particlesの【Density】を紹介します!
Sound Particlesは、有名なハリウッドのスタジオやゲーム会社でも使われているユニークなソフトを開発している会社で、そのソフトはあの“Dune”や“Game of Thrones”でも使用されているみたいです。
専門的なプラグインということで「ちょっと難しそうかな」と思いましたが、実際に使ってみると意外とシンプルで直感的に操作でき、用途の方もさりげないダブリングやアンサンブル効果から思い切ったエフェクトまで幅広く使える感じです。
わからない用語がありましたらこちらのサイトが便利です!
目次
Density の特徴と機能紹介
Densityはコントロールのレベルと複雑さが違う3つのモードを搭載していますので、目的に合わせて切り替えて使うことができます。
3つのモード
スモールアンサンブル(4ボイス)とラージアンサンブル(16ボイス)の切り替えとデチューンノブ、それとオクターブ下の音を加えるADD BASS(スモール2、ラージ6ボイス)のみのシンプルなモード。


ちょっと音源の音がダイレクトすぎるかな〜なんて時や厚みを出したい時など、ちょろっといじりたい時に最適!
ちゃんとベースのボイスがメインよりも少なくなっているところがさすが分かってらっしゃる。
DETUNE
個人的には一番使いそうだなと思ったモード。

- Detune・・・各グレイン(粒)のデチューンレンジをコントロール。最大(1オクターブ)にするとかなりカオスな感じになります。
- Delay Range・・・音色に加えるランダムディレイをコントロール(0秒から1秒)。
- Grain Size・・・各グレインの継続時間範囲をコントロール(0秒から1秒)。
- Dynamic Range・・・各グレインに適用されるランダム減衰をコントロール(0~60dB)。
- Position Divergence・・・元のチャンネルの位置からどの程度離れて音色を作成するかをコントロール(トップビューでビジュアル的にも確認できます)。モノラルソースもめっちゃ広がりのあるサウンドにすることができます。
- Voice Speed・・・ボイスの移動速度をコントロール(0~1000 deg/s)。
- Movement types ・・・グレインの動きを(ランダム、時計回り、反時計回り)から選べます。
- Grain Type・・・グレインのタイプを(レギュラー、リバース、両方)から選べます。リバースはリバース・ディレイみたいな感じになります。
- Voices Nr・・・ボイスの数をコントロールします(0から100まで)。
- XYパッド・・・すぐ下で選択した2つのパラメータを直感的にコントロールできます。

グレインの動きを時計回り、半時計回りにすると音像がロータリーみたいになって面白いですよ〜
基本的なパラメーターはDETUNEと同じですが、こちらはピッチ(上下2オクターブ)、ボイス数、ゲインをコントロールできるグループを追加することができます。


オクターブ下などをプラスしたり、上に倍音を足して音により厚みを出してもいいし、ハーモニーをつけてもOK!
オクターバーみたいな効果も出せますよ。
イン/アウト
インとアウトは様々な形式に対応しています。

またアウトプットはゲインの調整とDRY/WETコントロールに対応していますので、原音にエフェクトで処理した音をうっすら混ぜたり、逆にエフェクト音だけにしたりすることもできます。

プリセット
プリセットは結構思い切ったサウンドが多い印象です。

あっさり使いたい場合はマニュアルで調整しましょう。
参考動画
まとめ
「音源の頭数を増やすプラグイン」という印象から入りましたが、それだけではなく思ったよりも使い道は広いなと感じました。
通常のディレイやコーラスと違ってディレイ時間や変調が一定ではなく幅があるので、より自然なダブリングができるのも魅力です。
ソースはボーカル、楽器、効果音など、基本的には問わずに使えますが、ドライな音源の方がキレイにかかると思います。またEQなどの処理はDensityで音数が増える前に済ませておいた方が良さそうです。
CPU負荷はボイス数をガッツリ増やすと流石にけっこう喰いますが、私が使ってみた感じですと音楽でそこまでボイス増やすシーンはなさそうかな。
自然な効果から飛び道具まで、思ったよりもシンプルな操作で色々使えるプラグインですので、ぜひお試しください!