簡単な操作性と楽器としての個性を持ったフィジカルモデリング・シンセ!Baby Audio【Atoms】レビュー

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古き良きハードウェア・サウンドにインスパイアされながらも、モダンで使いやすいインターフェースを持つプラグインをそろえているデベロッパーBABY AUDIO.の2台目となるインストゥルメント・プラグインAtoms】の紹介です!

初のインストゥルメント・プラグイン【BA-1】がレトロ感のある古き良きハードウェア・シンセだったのに対し、今回の【Atoms】は打って変わってテクノロジー全開のフィジカルモデリング・シンセサイザーとなっております。

が、別に方向性がブレたわけではなく、シンプルな操作性とオーガニックなサウンドはちゃんと健在ですよ。

フィジカルモデリングは現存の楽器のシミュレートから自分で楽器を作れる系まで色々ありますが、Atoms は新しいコンセプトのバーチャルな楽器といったイメージで、シンプルなストリングス・パッドから複雑なテクスチャーまで簡単な操作で作ることができます!

Atoms の特徴と機能紹介

プリセット

音を鳴らしてみた第1印象は、「音が良い!」ことです。

基本的にはデジタル全盛の現代の楽曲にマッチするようなモダンなサウンドですが、ちゃんとアコースティックな暖かみや空気感も感じられるのはフィジカルモデリングならではですね。

プリセットも充実していますよ。

幻想的で複雑なサウンドも得意ですが、シンプルなプラックやパルスなんかも良い感じです。

コンセプト

Atoms は Mass-Spring System というものを核にデザインされた楽器で、その辺の原理的な部分はこちらの動画で詳しく説明されています。

質量のあるボールがくっついたスプリングをボウイングで振動させる、みたいな感じのようですが、まあぶっちゃけわからなくても問題なく使えますのでご安心ください。

メイン・パラメーター

メインのパラメーターは6つとシンプルな構成です。

  • Chaos・・・ピッチグライドやデチューニング効果。
  • Order・・・ダンピング、ローパスフィルターのような効果。
  • Force・・・スプリングにかかる弓の圧力的な。上げるとノイズが増え、倍音が鋭くなります。
  • Overtones・・・ sul ponticello 的な効果。
  • Drive・・・ウェーブシェーピング機能付きハーモニック・クリッピング。
  • Filter・・・ローパス・フィルター+レゾナンス。

モジュレーターは各パラメーターごとに用意されていますので、いちいち割り当てる必要はありません。

ボトム

下のセクションには音色とマス・スプリング・システムの動作をいじるパラメーターがあります。

  • Root・・・オクターブ・レンジの変更
  • Profile・・・4つのマススプリング・ネットワーク・アレンジの切り替え。音のキャラクターが変わります。
  • Attack・・・バーチャル・ボウの立ち上がり(アタック)をコントロール。
  • Release・・・減衰をコントロール。
  • Movement・・・ボウイング動作の深さとスピードを変化。
  • Modulation・・・コーラス的な効果。
  • Vibrato・・・ピッチ・モジュレーション
  • Reverb・・・シンプルなX/Yパッドのリバーブ。めちゃ良い音する。

また、ランダマイズ機能も従実していますよ。

ちなみに、プロファイルを切り替えると真ん中のビジュアライザーも変わります。

マス(点)スプリング(線)の結合を表現しているみたいです。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: Atoms_profile1.jpg

CPU

さて、フィジカル・モデリングといったら気になるのはやっぱりCPUへの負荷ですよね。

重いプリセットで大体これくらいです。

まあ、さすがに一般的なシンセよりは使用率高いですね。

一応エコモードも用意されていて、オンにするとCPU使用率はグッと落ちますよ。

ちなみに、同じフィジカルモデリングの Imagine で重いプリセットを演奏すると容赦なく持っていかれます。

これに比べたらだいぶ低い方ですね。

参考動画

メーカーの紹介動画

デモ曲作ってみた

Atoms を使って1曲作ってみました。リズム以外は Atoms です。

CPUにも(比較的)優しく、私の中スペックMacbookでも3トラックくらいは書き出さずに最後までいけました。

まとめ

フィジカルモデリングの画期的な方向性を示した Expresive E の Imagine と比べると、Atomos の方がより特定の楽器的なキャラクターを感じます。

その分音作りの幅が限定されて操作がシンプルになり、加えてCPUにも優しくなっているといったところでしょうか。

フィジカルモデリング、最先端の技術、なんて聞くとなんだか難しそうですが、使い方はめちゃ簡単です。

シンセを使ったことがある方でしたら、当ブログの簡素な説明だけで十分使いこなせると思います。

擦弦楽器をベースにしたモデリングで、柔らかい音から金属的な音まで色々作れますが、ちゃんと楽器としての個性があるのが面白いですね。

ぜひ、チェックしてみてください!

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