United Pluginsのスペースエンハンサープラグイン【Expanse 3D】の紹介です。
United Pluginsは中にいくつかのブランドがありますが、今回のプラグインはJMG Soundという以前紹介した【Mirror】なんかと同じブランドの製品になります。
スペースエンハンサーと言ってもすぐにピンとこないかもしれませんが、これはステレオイメージャー的な横の広がりに加えて奥行きや周波数的な縦の広がりもコントロールできる、空間的な調整に特化したプラグインとなっております。
ミックス全体の調整に使うこともできますし、トラックにインサートしてチョロっと広がりや倍音をプラスしたりもできちゃう優れものです。
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目次
Expanse 3D の特徴と機能紹介
そこでこのExpanse 3Dです。
Expanse 3Dは「脳が音の空間と大きさをどのように認識するか」という音響心理学に基づいたプロセッサーで、様々な処理を組み合わせつつもGUIはシンプルにツマミひとつで良い感じになるようにしたプラグインです。
流石にこのプラグインに頼り切るわけにはいきませんが、ちょっと調整したい時なんかにかなりイメージ通りの効果を得られるので便利ですよ〜
Width
いわゆるステレオイメージャー的なやつですが、個人的にはこれが非常に使いやすくて気に入りました。
ステレオイメージャーってDAWのものでもサードパーティ製のものでも、なんかかかり方が気に入らないことってよくありません?
Expanse 3Dは非常にクリアで自然な広がりが得られ、さらに「ノーマル」と「オルタネート」という2つのアルゴリズムから選べ、さらにさらにオプションとして各アルゴリズムのインバーテッドモードまで備えています。

また、注目すべき点は、周波数全体を同等に広げるのではなく、低音から高音にかけて徐々にワイドになっていく広げ方をすることです。
これはマスタリング時には特に有効ですし、パッドやストリングストラックにかける時にも便利です。
何より自動でやってくれるのが良いですね!

ちなみに、完全なモノラルソースをステレオに広げることも可能です!
Depth
トランジェント(トランジェントが鋭いものは近くに聴こえる的なやつ)とショートディレイなどを組み合わせ音の奥行き、深みといった部分をコントロールします。
こちらは主に中域に作用するので、音に厚みや深みを与えたい時などにも有効です。
またマスタリングでミックス全体に適用する場合はまとめ役としても使えます。

こちらも3つのモードから選べますので、状況に応じて使い分けられるのが良いですね!
Height
高音や低音を拡張する機能で、ただ単にブーストするだけではなく、倍音やサチュレーション、低音に関しては倍音をコントロールすることにより基音を聴かせるミッシング・ファンダメンタルなんかも使って実現しているようです。
ちなみにAirバンドブースト系とはまたちょっと違った感じです。Expanse 3Dで高域を少し拡張してからAirをブーストするとより少ない上げ幅で自然な効果が得られるので良い感じでした。

フルミックスには基本ノーマルモードでOKですが、高域が少ないまたは低域が少ないソースなどに合わせてモードを変更することもできます。
参考動画
まとめ
見た目はちょっとクセがありますが、音や効果の方は割と素直で非常に使いやすいプラグインです。
ツマミひとつでサクッとコントロールできつつも「分かってるな!」って感じの効果が嬉しいです。
なんか違うな、という時もモードの切り替えで結構なところまで対応できます。
もちろん簡単操作系ですので万能とかこれだけでどうこうとはいきませんが、ちょっと〇〇を調整したいなっていう時にトラック処理からフルミックスまでかなり活躍してくれるプラグインですので、ぜひ試してみてください!