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ハードウェアも人気の老舗メーカーEventideが新製品のリバーブ・プラグイン【Temperance Lite】を無料で配布中(12月31日まで)ですが、それのプロバージョンがリリースされました!
自由に共鳴音を選んで音楽的な残響を作り出せる機能がついた画期的なリバーブ・プラグインということで早速話題沸騰中ですが、Liteということでしたので当然本バージョンがあるんだろうなと期待しておりました。
しかしながら、Liteの段階でけっこう完成されていましたので、プロ版はリバーブをもうちょい細かく設定できるくらいなのかなと思っていたら、そんな予想を軽々と超えてきましたね。
まさに音楽的なリバーブという宣伝文句にふさわしい、かなり音楽的な使い方の幅が広がるような機能が追加されていますので要チェックですよ!
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目次
Temperance Pro の特徴と機能紹介
音楽的なリバーブ?
元々リバーブ・エフェクトはデッドな録音に対して後から残響を加えられる大変便利なものでした。
これにより、良い感じのスペースを確保して良い感じのマイク・ポジションを探し良い感じに録るというコストを大幅に減らすことが可能になりました。
その後リバーブもアナログからデジタルへと主流が変化していきますが、長年リバーブ・エフェクトの議論の中心は「いかに自然な残響を作り出すか」、つまりリアルな残響の代替ということに変わりはありませんでした。
しかし、人工的に自由にリバーブをかけられるという状況は、より自由な音楽表現としてエフェクティブにリバーブを使用する流れを作るきっかけにもなったと思います。
もう今時ドライなキックとラッシュなリバーブのかかったシンセが同時になっていたところで誰も気にしませんし、ボーカルだけ大聖堂でもそういう表現なのだと思うだけです。
つまり、リバーブ自体ももはやリアルである必要はないのかもしれません。
だったらより人工的に音楽的な表現が可能なリバーブが欲しくなるのも自然な流れなのではないでしょうか。
残響を調律
(基本的なコンセプトはLiteと同じですので、このあたりはLiteのを転記します)
Temperanceは平均律 (Equal temperament) のように音律的な意味合いなんでしょう。
Temperance Liteは平均率の12の音から選んだ音を共鳴させることにより意図的な残響を作りだせるのが最大の特徴となっております。
操作は簡単で、真ん中のでっかいノブの周りにある12のノートから共鳴させたい音を選んで、あとは真ん中のノブで適用量を調整するだけです。
プロ版ではこういう選択画面も用意されています。

スケールで指定したり、トランスポーズでコードやスケールをそのままにキーをシフトしたりできるようになっています。
ノブが12時の位置だと共鳴はなしで、普通のリバーブとして機能します。

右に回すと共鳴音の割合が増えていきます。

逆に左に回すと共鳴音が減衰する感じになりますので、あえてキーと関係ない音を有効にして左に回すのもアリです。

Scaler EQを使ってスケール外の音をカットした時のようなスッキリ感があります。

共鳴音とリバーブ音はノブ周りのビジュアライザーで視覚的にチェックすることができます。

リバーブをアンビエンス程度にして、原音の倍音を強化するような使い方もできますよ。

プロ版ではさらに選んだノートのバンド幅も調節できるようになっています。


メイン・コントロール
ライト版よりもかなり機能が増えています。

- インプットにドライ音のキルスイッチを追加。(リバーブの残響音だけ聴かせたいところで押すと効果的)
- アウトプットはデュアルモノに変更できるようになっています。
- Temperのターゲットを初期反射のみと後期反射のみも選択可能に。
- リバーブの初期反射と後期反射のバランスも調整できるように。
- Densityと共鳴音の周波数帯域のオフセット値も設定できるようになっています。
選べるリバーブのタイプ(Modal response)もかなり増えています。(Lite版は3つ)

フィルター
共鳴音を適用するスペクトル範囲を調整できます。
何もしないと全オクターブで共鳴しますので、これで限定する感じです。

リバーブ用のハイパス、ローパス・フィルターも備えてます。
フィルターは特に変わりなしかな・・・と見せかけてプロ版ではハイカットとローカットのスロープを変更できるようになっています。

シーケンサーとMIDIでノートをコントロール
Lite版でもオートメーションを使えばノートを自由に変更していくことはできましたが、Pro版では内蔵シーケンサーとMIDI入力でより簡単にノートをコントロールすることが可能になっています。
内蔵シーケンサーはテンポや拍子などDAWと同期して動きます。
画像ではデフォルトの4小節になっていますが、まだまだ伸ばすことができますし(まあ長い場合はMIDI入力使った方が良いと思いますが)、グリッドのビートも変更可能です。
まあ普通のシーケンサー感覚で使えちゃうわけです。

左側に8つまで用意できますが、こちらは色々選べます。
コード

スケール

インターバル

モード


テンションノートをインターバルやポリコードで指定したり、倍音強化目的でリディアンを重ねたり、色々できそうですね。
移調にはトランスポーズのオートメーションで対応したりもできそうです。
MIDI入力にも対応していますので、どんなに複雑なコード進行を持つ曲でも1曲全体丸っとコントロールすることができますよ。

オクターブリピートをオフにすれば本当に指定したノートしか共鳴しなくなりますので、全てのオクターブにわたって細かく指定することもできます。
参考動画
こちらはLiteです。
まとめ
「リバーブの細かい設定をちまちまいじってないで曲作りを進めようぜ」って人も、これなら文句を言えないであろうクリエイティブさですね。
普通のリバーブとしてもかなりクオリティ高いので、現代の制作ニーズに応えたリバーブの進化形と言って良いと思います。
曲のキーに合わせた共鳴を作るのが基本的な使い方だと思いますが、あえて外したりするのも面白いですし、アイデア次第で色々使えるクリエイティブなリバーブ・プラグインです。
また、ギターのように共鳴音がアンバランスな楽器の補完としての可能性もあるかもしれません。
積極的な音作りから超裏方仕事まで、無限の可能性があると思います。
ライト版でハマった人も、そうでない人も、もはやリバーブを超えた何かとも言える未知のエフェクトの可能性を一緒に探索しましょう!
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