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一昔前はラウドネス・ウォーの最終兵器的な感じだったsonnoxの【Oxford Inflator】ですが、他社製品も色々出揃った今となっては以前ほどの存在感はないかもしれません。
しかし、それでも良いプラグインであることに変わりはないし、まだまだ現役で使えるぞ!ってことで、再評価も兼ねてInflatorの紹介です!
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目次
Oxford Inflator の特徴と機能紹介
Inflatorは音圧のインフレだけのプラグインではありません。
もちろん、ラウドネスを稼ぐことは元々Inflatorの重量なタスクの1つではありますが、それ以外にも、
- トラックの存在感を高める
- 真空管のようなウォームなサチュレーションやソフト・クリップを加える
- トラックのトーンをコントロールする
- 仮想ヘッドルームを利用する
といったタスクもInflatorならではの感じでこなすことができます。
トラックを前に出す、後ろに引っ込めるなんかのコントロールを手助けすることも可能ですよ。
コントロール
各パラメーターはこんな感じです。
- INPUT・・・エフェクトセクションへのインプット量。たくさん突っ込むと歪む。
- EFFECT・・・Inflatorの効果の程を設定。注:オーバーロードの完全回避は100%時のみ。
- CURVE・・・上げるとブライト(抜けのいい)な感じ、下げるとダーク(ウォーム、こもった)な感じに。
- OUTPUT・・・アウトプット・レベル。
- CLIP 0 dB・・・インプットを0dB以上にならないように抑制するボタン。
- BAND SPLIT・・・周波数帯域を分けるボタン。いまだに「ここだ!」という使い所がわからない・・
- EFFECT IN・・・バイパスボタン
ラウドネス
とはいえ、一応音圧上げのやり方も一応押さえておきましょう。
EFFECTをオーバーロードを回避できる最大の100%、CLIP 0 dBをオンにした状態で、あとはラウドネス・メーターなどを参考にしながらINPUTを上げていく感じです。
CLIP 0 dBを外すとインプットが0dBを超えて入力されますので、最終的なピークレベルは0dBを超えないもののサウンドはトランジェントがより目立つ感じになったりと大幅に変わります。
オン/オフしたりINPUTやCURVEスライダーをいじりながらお好みのサウンドになるように調節しましょう。
一応最終的なアウトプットは0dBを超えないことになっていますが、ビビったらシーリング的な感じでOutputを少し下げてもOKです。
仮想ヘッドルーム
Inflatorのインプットは0dBをオーバーすると+6dBの仮想ヘッドルーム的な部分に入ります。
これを利用すると、例えばこのようにマスターが0dBをオーバーしている状態でも、
Inflatorのヘッドルームを利用することによってマスターのレベルを0dBに収めることができるようです。
「ようです」と書いたのは、こういった用途で日常的に使ったことがないからですね。
ギリギリのレベルを攻めたい人はマスターに挿しておくと安全ってことなのかな?
ソフト・クリップ/サチュレーション
音にウォームなチューブ感を加える、これもInflatorの魅力の1つですね。
やり方はラウドネス上げとほぼ同じですが、ワイルドに歪ませたいならCLIP 0 dBはオフにしておいた方がいいでしょう。
あとはCURVEでサチュレーションの感じを調節したり、アウトプットでレベルを調節したりすればOK。
アンプやヴィンテージ・コンプのように、どれだけインプットをつっこむかで結果が変わってきますので、トラックのゲインステージも重要だったりします。
まあ、そんな感じなので深くかけるなら専用のプラグインの方が使いやすいですが、ちょっぴり音をリッチにする的な使い方がInflatorならではでオススメです。
ミキシング
音のプレゼンスとトーン(EQ的な周波数のゲイン調整とは違う)のコントロールができるので、これをミキシングに使うことができます。(下の動画を参考にしてみてください)
EFFECTでプレゼンス、CURVEでトーンを調整するイメージで使うといいでしょう。(前に出したいトラックはEFFECTとCURVEを上げるみたいな)
バス・トラックのまとめ役としても使えます。
マスターにインサートして、ちょっぴりEFFECTあげてCURVEでバランス調整したりするのもオススメです。
「EQだといまいちしっくりこないな〜」なんて時の選択肢にいいですよ!
参考動画
まとめ
一時期の秘密兵器感はだいぶ薄れたかもしれませんが、こんな感じで使い所はまだまだありますよ〜。
ラウドネス稼ぎとしても「まだまだ若いもんには・・」かもしれませんが、個人的にはバスかマスター、時々トラックでEFFECTとCURVEで微調整みたいな使い方がほとんどです。
ただ、これがEQやコンプ、サチュレーション、クリッパーなどを使ったの(うまく組み合わせれば同じ効果が得られるとは思いますが)とは違ったニュアンスが得られるので重宝してます。
スライダー4つとボタン3つというシンプルさながら、あると何かと便利なプラグインですのでぜひお試しください!
高域に特化して調整したいなら、Black Salt Audioの【Oxygen】(レビュー記事はこちら)の方がオススメです。
トーンはいいからラウドネス+クリッパーという組み合わせにもっと特化したのが良ければ、Blue Cat Audioの【Blue Cat’s Protector】(レビュー記事はこちら)も試してみる価値ありです!
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