クラシック音楽は絵とか建築とかと一緒で、古典とかバロックとか時代様式が色々ありますよね。
クラシックの演奏家はそれぞれの時代をそれらしく弾くために一通り(大体バロックから近現代までか)勉強します。
が、そうは言ってもやっぱり向き不向きというか得意不得意はありますよね。
フレージングの違い
様式を弾き分けるポイントとしても、演奏家の個性としても大事なのがフレージングと音色でしょうか。
フレージングについては基本的なフレージングが出来ていることを前提に、デュナーミクの幅をどれだけとるかとか、ゆらし方とか、レガート気味なのかノンレガート気味なのかとかのアーティキュレーション的なところとかが違います。
例えばギターでいうとセゴビアなんかは、今の標準的な解釈からするとちょっとやりすぎな曲もありますが、基本的には正しいフレージングで弾いているのです。
フレージングの基本なしでタメル所だけとかコピると変になります。
音色
音色については、単純に音の鳴らし方もありますがこれはフレージングとも関係してますので、まとめて音ってことで話そうと思います。
音は時代だけでなく作曲家によっても求められるものが違います。
まあ、もちろんその音が合っているかどうかということで、違うからといって何か祟られたりするわけではありませんが(やたら書き込みが多い作曲家などは、それだけ作品へのこだわりも強いので注意が必要かもしれませんが)
例えば、同じ古典でもモーツァルトとベートーベンでは大分求められる音が違いますし、
ロマン派で同じピアニストでもショパンとリストは違います。
作曲家の音と演奏家の音
各作曲家が自分の音をもっているように、演奏家も持っています。
この音というのは音色のことではなく、好みというか美意識のようなものでしょうか。
結局作曲家にしろ演奏家にしろ、自分の感性にしたがって色々なものを選択していっていますし、それが個性につながってきます。
ですので遠い感性の曲は難しいということになるでしょう。
どうアプローチする?
例えば、ドビュッシーの曲でffがでてきたとします。
これをベートーベンのffで弾いてしまってはアウトですがショパンあたりはまだセーフ、みたいなのがあるわけですね。
そんな感じで、対照的な作曲家をそれらしい音で弾きわけるのは、もはや弾き方を変えるというより感性を変えるようなものなので、とっても大変です。
音が多少割れてもいいからガッツリ出すぜ!な人は、フランス系の繊細な演奏は我慢できず、
音がにごるのが嫌いな人は、ガッツリ曲でも一歩手前で引いてしまったりとかします。
それが出来る人もいるのでしょうが、確固たる自分の音がある人ほど逆に厳しかったりします。
ですので、だいたいはそこまでは変えないで弾いています。
ミケランジェリのベートーベンは「らしい音」ではないけど、それはそれで面白いかってな感じですね。
皆さんも色んな曲を弾いたり聴いたりして、自分の音楽を探してみましょう!